こんにちは、はまみらいプロジェクトの平井優作です。
この写真は日本初の鉄筋コンクリート構造物である三井物産横浜ビルです。鉄筋コンクリートが主流ではない当時、関東大震災で倒壊を免れたことで鉄筋コンクリートが地震に強いと知られるようになりました。
今回の記事ではコンクリートの歴史と鉄筋コンクリートの防災の役割について紹介していきたいと思います!
1. コンクリート建造物といえば
皆さん、コンクリート建造物と聞いて思い浮かぶものは何ですか?一番思いつきやすいのはギリシアのパルテノン神殿やパンテオン神殿でしょうか。
これらはコンクリートでできていますが最近つくられているコンクリート建造物とは違います。今の多くの建物は鉄筋コンクリートと呼ばれる構造で建てられています。
注意すべき点はパルテノン神殿は石造神殿で、パンテオン神殿はドーム型の球場神殿といったように名前は似ているのですが、全く見た目が違います。
興味深いのが、先ほどもいった通りコンクリートがこれらの建造物には使われていて、「天然コンクリート」という生石灰と凝灰岩が使われ、もうこの時点でコンクリートが存在していたんです!
2. 鉄筋コンクリートとは
鉄筋コンクリートは文字通り、鉄筋とコンクリートが合わさってできたものです。なぜこの二つが組み合わされているのでしょう。その理由は鉄筋とコンクリートのそれぞれを合わせることで、双方の弱点をカバーしあうことができるからです。
鉄筋は引っ張る力には強いのですが熱に弱くさびやすいのが特徴です。逆にコンクリートは熱に強いが引っ張る力には弱いです。
3. 鉄筋コンクリートと防災
鉄筋コンクリートが何か分かったところで、防災との関連について話していきたいと思います。そこでポイントを3つに分けて紹介します。
①鉄筋コンクリートは引張力や圧縮力の双方に強い性質を持っているため横揺れやねじれの力に耐えられます。よって耐震性があると言えます。
②火災にも強い!コンクリートは熱に強く、1000℃程度の高熱にも耐えられるため建材から有毒な気体を発生しにくくします。また火災が起きたとしても燃え広がりにくく、周辺への二次災害を抑え込みます。
③強風に強い!鉄筋コンクリート物は建物自体が重いため、巨大台風のような風による被害が少ないです。
4.気になるコンクリートの歴史と魅力
ローマ時代に既にコンクリートが存在していたというだけでもすごいのに、その当時の技術もすごいんです!まず、天然コンクリートができるまでの流れを説明します。最初に外壁にレンガを積みます。そしてそれを型枠として中に砕石を含むセメントを流し込んで完成です。この天然コンクリートの何が魅力的なのか。それは建物を安定させるためにコンクリートの材料の量の割合を変えていることです。パンテオン神殿がそうです。ドームの上部になれるほど、安定させるためにコンクリートを軽くするため骨材を軽石に変えているんです。このような技術がローマの時代にはもうすでにあったことは私にとって衝撃でした。外見も魅力的なのですが、中も工夫がされていて、ドームの頂部の穴から太陽光が差し込み、光の軌跡を楽しむことができます。ぜひ、一度現地に足を運んでみてください!
5. おわりに
いかがでしょうか。コンクリートの魅力を伝えてきましたが興味を持っていただけましたか?この記事で鉄筋コンクリートの特徴を知ることができたと思います。もちろん良い面のみ持っているわけでもないですが、少しでも鉄筋コンクリートの魅力が伝わればなと思います。私たちが住んでいる建物のほとんどは鉄筋コンクリートでできており、これらによって私たちは地震大国である日本である程度安心して住むことができるのです!
参考文献
・中谷礼二「比較西洋建築史講義」株式会社インスクリプト
都市科学部 都市基盤学科 平井優作
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