横濱四季の旅 ~ハマの自然とヒトの共生を想う~

はじめに

 こんにちは!はまみらいプロジェクトの福井です。

  昨今の厳しい情勢で、なかなか存分に四季を楽しめていない方や癒しを得られていない方が多いのではないでしょうか。四季折々の自然と触れ合いリラックスする、そんな楽しみがあっても良いですね。

  本記事では横浜の四季について、気象特性を読み解きながら季節ごとに紹介していきます。皆さんの心を明るく彩る、素敵な旅へとご案内いたします。

1.桜の舞に心躍らせ(春特集)

 突然ですが、日本の花と言えば?と問われたら、皆さんは何を答えるでしょう。ほとんどの方が「桜!」と答えるのではないでしょうか。

 進学、進級、新生活。4 月を迎えると同時に新年度となり、新たな一歩を踏み出すのに適した季節ですね。

 外も次第に暖かくなり、梅花が綻び、桜も満開を迎え多くの生物が活動を始める季節です。

 横浜の桜も美しく咲き誇り、見ているだけで心が癒されるような優しさを与えてくれます。

 そんな「桜」について詳しく見ていきます。横浜市における2021 年(以下、今年)の桜の開花日は3 月17 日、満開日は3 月27 日と記録されています。平年は開花日が3 月25 日、満開日が4 月1 日とされており今年は平年より1 週間ほど、開花も満開も早かったことが分かりますね。

 早咲きの要因として、今年 3月の横浜の気象概況が挙げられます。月間平均気温、月間日照時間、月間降水量がいずれも平年を上回る水準であった為、開花や満開の時期が前倒しとなったと考えられます。

【参考:横浜地方気象台提供「横浜の生物季節観測」 「神奈川県気象概況」


2.海風そよぐ、蒼き夏(夏特集)

 あたたかな春が終わり、紫陽花がまちを彩る梅雨が明けるといよいよ夏が到来します。夏季休暇に伴い、レジャースポットや観光地は毎年多くの客で賑わいをみせます。しかし、現在はコロナ禍で思うように遠出が出来ない、旅行するのに慎重な姿勢をとる方も多いことでしょう。

 横浜市中心部も、観光地の1つとして知られており毎年多くの方が足を運ぶ場所となっています。近所に横浜中華街があることで、海外から来られる方も多いのが特徴です。こうした、国内外を問わず多くの方が訪れるまち・横浜は今もなお発展を続けており、今後の更なる進化に目が離せません。

【有名観光スポット「大さん橋」から望むみなとみらい地区】

 ここで、横浜の自然環境についてご紹介します。横浜のイメージとして真っ先に思い浮かぶのが「海!」という方も多いのではないでしょうか。

 その「海」ですが、数十年前の高度経済成長期にはかつて保全されていた水環境が失われ、大量の汚染水が海へ放出されたことにより水質が悪化、深刻な問題へと発展しました。

 こうした現状を踏まえ、市はインフラ整備の加速化や工場等への規制強化などといった水質改善事業の推進を行い、果敢に水環境問題に挑み続けました。その結果、依然として課題は残るものの、今日のような水環境の実現を成し遂げることに成功しました。

【参考:横浜市HP


3.樹々の色づき、私の気づき(秋特集)

 暑い夏を乗り越えると、ゆっくりと外気温が下がっていき、過ごしやすい陽気となっていきます。

 写真は、よく晴れた日にすっかり色づいた横浜の樹々を撮影したものです。赤や黄色に染まる樹々を見て、「秋」を感じる方も多いのではないでしょうか。
 一般に、紅葉は外気温が7°C~8°C程度まで下がった際に始まります。日ごとに寒暖差が大きい季節である為、この温度帯に収束するのは秋が深まってからである、と考えられます。

 紅葉の時期に直接的な影響を与える寒暖差をもたらすものとして、毎年日本列島に襲来する「台風」が挙げられます。

 「台風一過」という言葉を耳にしたことがある方も多いことでしょう、台風の襲来前後では天候や気温の変化が激しくなり、気温が安定しているとは言えない状況が続きます。その為、体調を崩さないよう細心の注意を払う必要があると言えます。

 横浜市には台風14 号及び16 号の接近に伴い、前線の影響もあって9 月上旬及び中旬の降水量は平年よりも多くなりました。また、物理的に台風から離れていてもあたたかく湿った空気が本州に流れることにより大気の状態が不安定となり、天候悪化や降雨をもたらします。

 紅葉や冷涼化に加えて、秋を感じることはこうした気象現象の変化によっても感じ取ることが出来るかもしれないですね。

【参考:神奈川県気象概況


4.粉雪ちらつく、ハマの冬(冬特集)

【寒い冬の日のYOKOHAMAライトアップ】

  台風シーズンも過ぎ去り、紅葉を見納めるとついに冬がやってきます。多くの動植物は来る春に備え、この時期は寒さをじっとこらえています。朝は寒くてなかなか布団から出られない、という方も多いことと思います。道中に霜柱を見つけることが出来る、吐息が白く見える、そんな現象が起こるのも冬の特徴と言えますね。

  ところで、横浜市の冬の気温は大体どのくらいなのか、皆さんは想像がつきますか?冷たい北風が吹くこともあって、体感温度と実際の気温に差が生じているのは事実です。

  横浜市の1 月の平均気温は5.9°Cと、かなり低い温度であることが分かります。今年1 月の月間平均気温は6.2°Cだった為、ほぼ平年並みと言えます。また、冬は西側に高気圧、東側に低気圧が位置する「西高東低」の気圧配置を為すことから、太平洋側に位置する横浜市は冬の高気圧の影響で乾燥した冬晴れの日が多いことが特徴と言えます。

  12 月から2 月にかけてカエデの紅葉やツバキの開花、更にはスイセンの開花を迎える時期になるので、防寒しつつ横浜の自然生態系と触れ合うのも良いですね。

【参考:横浜地方気象台提供「神奈川県気象概況」 「横浜の生物季節観測」


5.おわりに

 横濱四季の旅、間もなく終焉を迎えます。横浜市の気象特性や植物及び環境問題にも着目しながら季節ごとに紹介を行ってまいりましたが、楽しんでいただけたでしょうか。少しでも面白いと思っていただけたら幸いです。

 ここでは挙げていない、まだまだ知られざる四季の魅力が横浜には溢れています。

 是非、自ら足を運び五感をフル活用しながら癒しを見つけてください。その際、本記事を通して少しでもお役に立てれば嬉しい限りです。


都市科学部環境リスク共生学科 福井 章真

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