Twitter防災アカウント「はまみらい防災室」から、横浜での防災アカウントの活用可能性を考える

 こんにちは!はまみらいプロジェクトの松尾と猪俣です。

 皆さんは普段の生活の中で「防災」を意識することはありますか?

 身近で災害が発生した時や9月1日の「防災の日」などで一時的に気を引き締めるものの、少し期間が経つと忘れてしまう…という人も多いのではないでしょうか。

 この記事では、はまみらいプロジェクトが運営するTwitter防災アカウント「はまみらい防災室」についてと、地域密着型防災アカウントの活用可能性および課題について、筆者の見解とともに皆さんにお伝えします。少し長めの記事になっていますが、この記事を通して、防災の重要性や、自分の暮らす地域での防災の形について考えるきっかけになっていただけたら嬉しいです!

1.はまみらいTwitter防災アカウントの紹介と、これまでの活用事例

 Twitter防災アカウント「はまみらい防災室」は、2021年7月にはまみらいプロジェクトのHP(ホームページ)チームメンバーによって創設された、横浜の防災情報を発信するアカウントです。

(ここをクリックするとアカウントにアクセスできます!)


 はまみらいプロジェクトの活動目的の1つに「横浜をより良い都市にするための方法を、学生の立場から考える」というものがありますが、このうち防災の分野でできることとして、Twitterでの防災情報の発信を考案しました。現在はHPチームのメンバー数人によって運営されています。

 アカウント開設からこれまでの活用事例としては、以下のようなゲリラ豪雨発生時の呼びかけや、地震発生時の震度情報の提供などが挙げられます。また、地域課題実習に参加する横国の学生からも好評の声を頂いています。



2.防災や防災アカウントに対する筆者の考え

 ここからは、一般市民の防災意識や、防災アカウントの活用における課題について、筆者の意見を交えながら考えていきます。


①そもそも「防災」って何?

 防災について話を展開する前に、「防災」の意味について確認しておきます。


自然現象による災害から、人間の行為による災害、および住宅内における日常災害まで、種々の災害があるが、それぞれの災害の発生機構を明らかにし、人命および財産の安全を図ることを目的として対策を行うことの総称である。災害対策、災害防止、災害予防と同義に使用されることが多い。(以下略)

引用:日本大百科「防災」


簡潔に言うと「災害から人や物の命を守る」ということになりますね。ちなみにここでの災害は自然災害のみとし、以下では自然災害への対処方法について考えます。


②近年の自然災害から見る防災の必要性

 さて、皆さんは「自然災害」というと何が思い浮かびますか?

 大雨、地震、津波、台風、…などいろいろあると思います。これらの自然災害はいずれも大昔からあったものですが、近年自然災害はどんどん激甚化し、自然災害で命を落とす人も多くなっています。

千曲川の堤防が決壊し、浸水する周辺の住宅 =2019年10月13日、長野市、朝日新聞社ヘリから

出典:朝日新聞デジタル


 これは、「令和元年台風第19号(東日本台風)」による大雨で発生した千曲川の決壊の写真です。堤防を決壊させる水流の力がいかに恐ろしいかがよく分かります。

 近年は堤防や砂防ダムなどのインフラ整備も進んできましたが、それでも人間が自然の力に完全に打ち勝つことは不可能です。しかし、適切なソフト対策をとれば人的・物的被害は小さく抑えられるはずです。あらゆる自然災害に対して尊い命や財産を守れるようにするために、防災の取り組みが必要なのです。


③一般市民の防災意識について

 われわれ一般市民の防災意識はどのように変化しているのでしょうか。

 少し歴史を振り返ってみます。昭和の高度経済成長期は大きな災害が少なく、災害や防災についての関心がそこまで高くなかったといえます。しかし平成になってから雲仙普賢岳の噴火や阪神淡路大震災などの大きな災害が多発し、近年では立て続けに大きな地震や台風が来ています。

 近年の自然災害の激甚化により、防災意識の高い一般市民が増えてきているように思います。しかし、全員が防災意識を高めるのはもちろん困難であり、まだ意識が低い人も一定数いるのが現状です。


 防災意識が高まらない理由にはさまざまなものが考えられますが、

①災害はいつも発生するわけではなく、災害が少ない時期は意識が薄れる

②地域によって地形や災害は多種多様であり、意識に地域差が生じる

の2点は個人的に注目したいポイントです。


 これらの問題点を解決するためには、

①災害の少ない時期も含めて、定期的に防災の啓発活動を行う

②地域の実情に合った防災の形を考えるとともに、防災に先進的な地域から知恵を学ぶ

といった方法が必要になってきます。


 これらの方法を実現するための1つの手段として、「地域密着型Twitter防災アカウント」が考えられます。


④「防災アカウント」で横浜に暮らす人々の防災意識を変えることはできるのか?

 ここからは、実際に横浜を対象とした防災アカウントを運営することを考えてみます。

 先ほど挙げた1つ目の解決方法である「災害の少ない時期も含めて、定期的に防災の啓発活動を行う」については、地域を問わず

・定期的に伝える

・Twitter閲覧者に効果的に情報を伝える

ことが必要となります。いわゆる量と質が大事ということになりますが、これらの確保をどのように行うかが課題です。


 2つ目の解決方法である「地域の実情に合った防災の形を考えるとともに、防災に先進的な地域から知恵を学ぶ」については、

・横浜の地域特性を考える

・さまざまな地域の防災の知恵を学び伝える

ことが必要となります。横浜市は日本の市の中で最大の人口を抱えており、地域特性も海沿いから田畑まで様々です。また、市の中で地形や地盤、気象状況は大きく異なっているものの、防災気象情報は市単位で出ることが多く、情報の誤解を生みやすい場所でもあります。


 ここまでの議論をまとめると、以下のようになります。

 さて、このような状況下で、横浜で学生主体の地域密着型防災アカウントを活用していくためにはどのような工夫が必要なのでしょうか?


3.これからの防災アカウントの活用可能性と、活用にあたっての課題

 上記で挙げた2つの解決方法について、「はまみらい防災室」のアカウントで何ができるか、アカウントを活用する上で何が課題となるかを考えてみます。


①「災害の少ない時期も含めて、定期的に防災の啓発活動を行う」について

 筆者が考えた方法は以下の通りです。

※1:災害の少ない時期については週1~2ペースくらいで発信できれば十分だと思っていますが、できる範囲で間を空けすぎない努力はしたいところです。

※2:閲覧者の興味や欲求は人それぞれであるため難しいところです。ただし、1人でも役立つと思ってくれる人がいるのであれば、少なくとも情報を発信する意味はあるのではないかと思っています。


②「地域の実情に合った防災の形を考えるとともに、防災に先進的な地域から知恵を学ぶ」について

 筆者が考えた方法は以下の通りです。

※3:横浜市内に住む人や横浜に訪れる人にとって「その地でどのような災害の可能性があり、どのような情報を参考に行動すればよいのか」が分かるような投稿を目指したいです。

※4:横浜と他の地域の地域特性は異なる部分も多いですが、少しでも横浜の防災に活かせそうなものであれば情報発信していきたいところです。


4.さいごに

 この記事では、はまみらいプロジェクトのHPチームが運営するTwitterアカウント「はまみらい防災室」の取り組みと、地域密着型防災アカウントの今後の活用可能性および課題について紹介しました。

 防災への取り組みは地域や個人によってさまざまです。皆さんは、身の回りの防災を考える上でどんな情報があったら便利だと思いますか?そして地域密着型防災アカウントに何を期待しますか?はまみらい防災室では、横浜にとって適切な防災の形をこれからも考え続けていきますので、皆さんからもフィードバックを頂けると嬉しいです。

 ここまでお読みいただき、ありがとうございました!


都市科学部都市基盤学科    松尾祐輝

都市科学部環境リスク共生学科 猪俣悠介

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