はまみらいメンバーの「災害への備え」 ~事前編③:災害リスクを減らすための行動と心構え~

 こんにちは、はまみらいプロジェクトHPチームの松尾です!

 はまみらいメンバーが実際に行っている「災害への備え」をお届けする記事、第3弾のテーマは「災害リスクを減らすための行動と心構え」です。これまでの2つの記事では具体的な対策方法をメインでお届けしてきましたが、今回の記事では

・事前に予測ができる災害に対して、まずはどこから情報を仕入れ、次にどのような行動をとればいいのか

・事前に予測することが難しい災害に対して、どのような心構えが必要か

といったやや抽象的な備えについて、2つのタイプの災害に分けてお届けします。

1.「少し前に予測ができる災害」への備え

 まず、少し前に予測ができる災害について。主に台風暑さがこれにあたります。これらの災害については、自分の地域で各災害が発生する「可能性がある」と分かった段階で、できる対策から始めていきます。

 ここでは台風を例にとります。進路予想図で(最も早くて)5日後に自分の地域に接近する可能性があると分かった場合、

・情報を周りに共有・拡散する

・接近する可能性のある日の予定を調整し始める

・少し多めに買い出しをする

などの軽めの対策を順次始めていきます。さらに日が経過し、より接近の可能性が高まった場合には、

・ベランダの物を中にしまう

・窓ガラスに養生テープを貼る

・地下の車を地上に避難させる

などの物を使ったり動かしたりする強力な対策や、台風が来ることを前提とした対策を進めます。


令和元年(2019年)台風第19号の進路予想図(出典:気象庁HP)


 上の図は進路予想図の例です。ここで、予報円の大きさは台風の進路の不確実性の大きさを表すものであり、台風の強さ・大きさを表すものではないことに注意してください(台風の中心が、予報時刻に予報円の中に入る確率は70%です)。

 進路予想図における現在の日時は2019年10月8日6時。5日後の13日3時には、台風の中心が横浜付近に達する可能性があることが示されています(この図だけでは分かりませんが、さらに付加情報から強い勢力であることが分かっています)。この図から、横浜に5日後に台風が来る「可能性がある」という事実が認められたわけですから、上記の軽めの対策を始めても良い時期と言えるでしょう。

 もちろん、あくまで5日先の予想なので台風が来ない可能性も十分ありますが、2,3日経って予想の精度が上がった時に改めて接近の可能性を見て、以後の対策について考えていけばよいでしょう。

注:実際この台風は2019年10月12日の夜遅くに横浜付近を通過し、長時間激しい雨風がもたらされました。皆さんは当時何日前から対策をとれていたでしょうか?


これを行う上で大事なことは

・進路予想図の見方など、最低限の気象の知識をつける

・ニュースやお天気アプリ、Twitterなどから、台風接近の情報をいち早くゲットする

・可能性の段階で取れる対策を取り始め、接近時の行動もあらかじめ想定する

・常に最新の情報をチェックし、予報の変化に伴う可能性の変化を察知する

であると考えています。


2.「予測できない・予測が難しい災害」への備え

 次に、予測できない・予測が難しい災害について。主に地震火災がこれにあたります。これらの災害については、普段から災害発生時のシミュレーションを行うことを意識しています。

 ここでは地震を例にとります。対策として「あらゆる場所で、地震の揺れに遭遇した際の安全な待機場所を考える」ということを行います。

 例えば室内の窓際の席にいた場合、窓ガラスが割れる可能性を考慮し、あらかじめ窓ガラスから離れた待機場所を探しておきます。シャンデリアの真下にいた場合、頭上や周囲に物が少ないところがないかを探しておきます。こうすることで、地震の揺れが急に来たときにケガをするリスクを低減できます。

 こうしたシミュレーションは知識や想像力がないと難しいですが、例えばYouTubeにある地震発生時の動画や、地震発生後の室内の様子が映っている写真などを参照することである程度イメージはつけられると思います。

 その他、防災バッグの準備や家具の固定などの事前にできる対策はもちろん行っておきます。このシミュレーションは、あくまで「地震発生直後」の被災リスクを減らすための対策(前もって行う行動計画)です。


これを行う上で大事なことは

・地震はいつどこで来てもおかしくないものだと考える(東北太平洋側など、普段から地震の多い地域は特に!)

・地震の揺れの特徴や揺れによる被害、命に危険が及ぶ現象を知る

・想像力を豊かにし、身の回りにある物の挙動を予測する

・実際に揺れが来た時やふと思いついた時など、こまめにシミュレーションする癖をつける

であると考えています。


3.まとめ

 1.と2.両方に共通して大事なのは、「平常時や災害発生前から災害リスクを想定し、リスクを減らすための対策を考える」ことです。そのためには各災害や防災気象情報に関する知識をつけることが必要であり、私も日々勉強を続けています。また、災害時の人間の心理状況は人それぞれであるため、こうした備えの難しさも感じているところです。


さいごに

 今回は「災害リスクを減らすための行動と心構え」と題し、人間の行動・心理的な側面から災害への備えをお届けしました。

 防災バッグの中身やハザードマップの準備などの具体的な対策ももちろん大事ですが、それ以前の災害シミュレーションや早期の情報入手・情報伝達も同じくらい大事です。いざ災害が来た時になるべく「想定外」を減らせるように、平常時から災害について考える癖をつけましょう!


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都市科学部都市基盤学科 松尾祐輝

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