こんにちは、はまみらいプロジェクトの田村です。「はまみらいプロジェクトってなに？」という方もいらっしゃるかと思いますが、はまみらいプロジェクトについては、ホームページ内の「ABOUTはまみらい」にて紹介しているので、そちらをご覧ください。

目次

①ブルーカーボンとは

②横浜ブルーカーボン事業について

③CO₂削減量

④事業を盛り上げる取り組み

⑤最後に

①ブルーカーボンとは

「ブルーカーボン」とは、海洋生態系によって隔離・貯留される炭素のことを指します。対して森林が固定する炭素のことをグリーンカーボンと言いますが、ブルーカーボンは生態系によるCO₂吸収量の知見がまだ少ないため発展が遅れています。そこで全国に先駆けてこのブルーカーボンに着目して温暖化対策を進めようとしているのが横浜市です。

②横浜ブルーカーボン事業について

「横浜ブルーカーボン事業」では、いわゆる上記のブルーカーボンのほかに、エネルギー、食料、バイオマスなどといった海洋資源にも目をつけ、これらを「ブルーリソース」と呼ぶことにしました。さらにブルーカーボン、ブルーリソースの取り組みを通じて「親しみやすい海づくり」を築くことも目指します。よって、狭義のブルーカーボンにとどまらず、ブルーリソースの有効な活用をも通して温暖化対策を行うのが横浜ブルーカーボン事業です。

③CO₂削減量

この事業で進められているCO₂削減には、まず狭義のブルーカーボンとして海の公園におけるアマモ場の保全によるCO₂吸収量の確保があります。吸収量の算定に用いる考え方や算定式はここでは割愛しますが、海の公園におけるアマモ場において年間1.6～1.7トン程度のCO₂を吸収していることが分かりました。（参考：堀正和，桑江朝比呂：ブルーカーボン－浅海におけるCO₂隔離・貯留とその活用－，地人書館）

次にブルーリソースの活用によるCO₂削減としては、ワカメの地産地消、海水熱源ヒートポンプの利用があります。まずは市内で消費されるワカメについて、これまで他の地方や海外から輸送して消費していた分の一部を横浜で生産加工されたワカメに置き換えることでどの程度CO₂を削減できるのか算定しました。

それによると、横浜産のワカメをすべて横浜で消費することで他地域からのワカメの消費を年間100㎏減らすことができ、年間15,891㎏のCO₂削減に貢献できることが分かりました。海水熱源ヒートポンプとは熱源として大気ではなく年間を通して温度の変動がより少ない海水を利用するもので、横浜八景島シーパラダイスアクアミュージアムの一部冷暖房で導入されています。これにより月間（3月）で960㎏のCO₂を削減できました。（参考：堀正和，桑江朝比呂：ブルーカーボン－浅海におけるCO₂隔離・貯留とその活用－，地人書館）

④事業を盛り上げる仕組み

ブルーカーボン、ブルーリソースを使ってより温暖化対策を促進していくための仕組みとして、カーボンオフセット制度があります。カーボンオフセット自体は以前からある考え方で、どこかでCO₂削減があった場合に別の場所でのCO₂排出と相殺し、その分排出者が削減者から排出枠を購入するというものです。横浜ブルーカーボン事業でもこの制度が利用され、前述のワカメ地産地消、海水熱源ヒートポンプ導入によって得られたCO₂削減量がクレジットとして、第5回横浜シーサイドトライアスロン大会の運営・実行によって排出されるCO₂と相殺されました。

横浜ブルーカーボン事業によるCO₂削減

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